さて、有香ちゃんが海外に行く前、バスルームのタイルを貼り替えました。
有香ちゃんはこのアパートに住んで大体3年半くらい。 僕は結婚してから住み始めたから、ええっと、2年半くらいかな。 昔から、有香ちゃんはバスルームのタイルの汚れが気になっていたみたい。
毎回、「バスルームの掃除をしてくれる人を呼ぼうよ」という有香ちゃんの訴えを、過去2年半の間、ことごとく却下してきた(そのかわり、掃除をしてきた)僕だけど、やはり有香ちゃんにとってバスルームがきれいであることは大切なんだ、ということをつい最近理解して(笑)、タイルを売ってあるお店に一緒に足を運ぶことにしました。 有香ちゃんが主にタイルを選び、タイル屋さんに登録しているタイル張りの業者を呼ぶことに。
話は長くなるので端折るけど、このタイル業者が、本当にひどい業者だった。 始めに言ったことをやらない、本当に信用ならない人でした。 始めは2日で終わる、と言っていた作業が(2日ということなので、有香ちゃんがメルボルンを発つ2週間前に作業をお願いしたんだけど)実際に作業を初めて見ると、3日、4日と伸び(一日作業をするはずなのに、半日で帰ったりする日が多々あった)、最終的にかかったのは5日。 お金を払ったら竜巻のように帰っていった彼だけど、実際にバスルームを見てみると、作業は終わっておらず中途半端。 昔のタイルをはがさずに、その上から新しいタイルを貼ったせいで、洗濯機を隠すための引き戸ははまらなくなったし(作業をする前はちゃんとはまると言っていた)、シャワーヘッドもタイルの上にタイルを貼ったせいでもとに戻らない・・・など、問題だらけ。
作業が思った以上に時間がかかっていたので、最初はいやだったけど、そのうちの一日は、彼に鍵を預けて僕と有香ちゃんは仕事に行きました。 そうすると、午後2時半頃電話がかかってきて、家の中に鍵を置いたまま外に出てしまったので今すぐ帰ってきてほしい、なんてことも言われるし。
本当に最悪の人でした。
なので、作業が終わってないのを見てとてもイライラしたけど、こんな人とはもうやり取りしたくない、と思い、自分で作業を完了することにしました。
先週の土曜日は、材料屋さん(長崎で言うならオーケーホームセンターみたいな感じのところ)に言って、バスルームの四隅に塗るためのシリコンを購入。 まずは、散らかったバスルームをしっかり掃除して、その後バスルームの四隅に3時間程かかってシリコンを塗りました。(それまではシャワーを浴びることができず、下の階のジムまでシャワーを浴びにいってました。3日間家で浴びることができなくて、その間の一日は、友達との夕食だったので、ジムがしまる午後10時までに帰宅できなかったので体を拭いて寝ました)。
今回のこの一件は、かなりムカッとしたけど、良い人生経験になりました。
学んだレッスンとしては、以下。
ナイーブなところを改める
- 人を無条件で信用・信頼してはいけない(理想は持ちつつ、しっかりと現実を受け止めること)
- 信頼は獲得する・されるもの(努力してあたえる・あたえられるもの)
怠け者の態度を改める
- 何事も人に頼りすぎ、というのは良くない(例: 納税申告書の手配など。 人に頼むにせよ、それにかかわるプロセスをしっかり理解する必要がある!(トヨタ用語では「手の内化」って言います)
交渉術を上達させる
- しっかりとした明細書が無い場合、しっかりとやって欲しいことをまずはリストアップする(必要なプロセス、完了すべき作業を明記・明示・はっきりと言う)
- 80/20の交渉術(お金は見積もりの80%は必ず払います。そして、私の満足のいくように作業をしてくれたら、残りの20%も支払います。 そうでなかった場合、残りの20%はあなた以外の他の業者を頼んで、作業を完了してもらいます、みたいな交渉)
- やはり、明細書が必要。(こっちでは、職人系の人は口頭での見積もりがほとんどみたいだけどね) 最終的な料金が変わった場合などは、変わった部分(材料費など)しっかりと明細書を見せてもらう。 明細書がなければ払わない、と一番最初の交渉の時にしっかりと言わなければならない!(後で自分が不利にならないように、交渉材料を事前にしっかりと押さえておく!)
- 作業が終わったら、作業員に代金を払う前に、全てを元通りにしてもらう! 何かひとつでも元通りにならなければ、代金の20%は払わない!(事前交渉時に合意を得ておく!)
こういうふうに、日本ではごく当たり前(作業に来る人は信頼できて、お客さんの専門外のこと(タイルとかね)の仕事もしっかりと丁寧にやってくれる)のことが、海外では起こらない。
そのことを分かっていたのに、僕は人の良い日本人のままだった。 今回のことを通して、一回り強くなったし、都会で生きていくための身を守る知識を得て、少しナイーブじゃなくなりました。 また、当たり前のことを、また一つ感謝できるようになりました(家でシャワーを浴びれることが、こんなに素晴らしいことだとは知らなかったからね)。
最悪の業者さんだったけど、大切な人生勉強をさせてくれたことに感謝してます。
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